【 放射能レンズ -The Legacy Lens which has Radioactivity 】
放射線を出すレンズは「アトムレンズ」とか言われて 一部のオールドレンズ・ファンには有名ですが ご存知無い方の為に少し解説を… 放射能を持つレンズはガラスにトリウムという放射性物質が混合されてます。 トリウムは天然に存在する元素で同位体は放射性のトリウム232一種類だけで 安定同位体はないので全部放射線を出すわけです。 トリウムをカメラのレンズ用ガラスに使用したのは ライカで有名な独ライツ社が1950年代に使ったのが初めらしいです。 この方法は高い屈折率を得るために大変有効で、 解像度が上がるばかりか、色収差にも優れ シャープかつコントラストのあるレンズが作れました。 初期のズミクロン等がそれにあたり、 ライツに追随したコダックのエクターや 当時の共産圏も含めて結構な数のトリウムレンズが 世界中で造られたのでした。 当時は原子力の平和利用(要するに原発ね)が模索され かつ今ほど放射性物質に関する知見も浅かった事もあり 法令で定められた放射線量を大きく下回っていることでよしとし(当時は) 日本も相当な数の放射能レンズが各社から作られたとのこと。 ライツが52年には酸化ランタンを採用してトリウムの使用中止したのに対し、 日本では70年代半ばまでトリウムレンズを製造していたという。 という事で今回の原発事故を契機に 放射線測定器を手に入れる事になってしまったので 所有する106本のレンズを調査してみたのでした。 使用した線量計はRADEX RD1503というウクライナ製のものです。 小型の簡易計測器ですが非常に評判の良いもので 今は値段が高騰してますが、ボクはラッキーな事に 3月11日夜に注文したお陰で2万で買えました(^^)v では先ず最初はアトムレンズとして非常に有名な PENTAX Super-Takumar 50mm F1.4 を測定してみましょう!いきなり3.27μSv/hです!!! 3月以前はマイクロシーベルトと言っても 誰もピンとこなかったでしょうが これが非常に高い数値だと言う事はもうお分かりでしょう。 年間被爆量に直すとなんと28ミリシーベルト! 福島で今年間20ミリシーベルトが問題になってますが ずっとこのレンズを肌身離さず持っていたら 一体何が起こるか解りません。 次に一部では大変な信者がいる富岡製作所の COSINON AUTO 55mm F1.2
こちらも高い2.25μSv/h! 以前この記事を見てアトムレンズの存在を知った時は 数値の意味が実感出来ず「ヘー」と呑気に考えておりましたが 原発事故後は数字の意味が解りちょっと腰が引けます。 タクマー50/1.4はここ等を見ると7μSv/h 近く行く個体もあるらしく ちょっと戦慄を覚えます… ボクのタクマーは四谷三丁目の我楽多屋で3千円で拾った物… なんてものを拾ってしまったんだ…と一瞬後悔がよぎりますが…
実は10センチも離すとご覧のように途端に数値が下がります。 1メートルも離れればほぼ無感知(ホッ…) ところでこうしたトリウム含有の古いレンズには ひとつ大きな特徴があります。 上の写真でお分かりのようにレンズが飴色というか 黄色く変色しているのです。 これは放射線で焼けてしまったかららしく 昔は普通の透明なレンズだったとの事。 トミオカ製のレンズもタクマー程ではありませんが うっすらと黄変してますし、以前アトムレンズの双璧として有名な Carl Zeiss Jena のパンカラー55/1.4を触ったことあるのですが 気持ちの悪い程まっ黄色のレンズでした。 また全てのタクマー50/1.4がトリウムを含んでいる訳ではなく この方が解説されているように非アトム判タクマーもあります。 こうした黄変したレンズを一眼レフで覗くと イエローフィルターをかけたような眺めですが 実際の写りはどうでしょう。
PENTAX K-x PENTAX Super-Takumar 50mm F1.4 A ( F2 -1/400 ) ISO200 これはデジイチで撮ったのでオートWBが若干補正してくれてますが ちょっと黄色がかっていますね。 でも見てください。 色飽和しない濃厚な発色とコントラスト、 そして確かな解像力と、破綻の無い美しいボケ味。 確かにトリウムレンズの性能は高そうです。 ※タクマー50/1.4の作例はこちら そしてトミオカ55/1.2の作例はこちらでも見れます。
という訳でいつもなら気にしないのですが 原発事故で少なからず被曝している身としては このレンズは写真のように暫くケースに入れて 厳重に保管する事にしました(笑) でも、この事実を知らないカメラ愛好家が多いらしく、 知らしめないメーカーや行政も問題でしょう。 なにしろトリウムは半減期が140.5億年と非常に長く しかもこの放射線量だと壊れたからといって 一般のゴミとしては当然廃棄出来ない訳です。 原発事故以降一生懸命放射線を勉強したボクの あくまで個人的考えからすると、 トリウムのような自然界にある放射線に関しては 確かに人間は外部からの被曝は意外に強いと思います。 #だから以前は規制されていなかった。 実際これらトリウムレンズは全世界に存在しますが コイツのお陰で眼の癌になったとかの話は聞きません。 しかし、人間は内部被曝には非常に弱いのです。 このレンズを落として割ったりしたらどうでしょう? 破片で手を切ったり細かい破片のチリ等を万が一吸い込んでしまったら… 直ちに健康に害はありません、ではすみません。 アトムレンズは立派な放射性物質である以上 所有する際は責任を持って取り扱いたいものですね。
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ギョギョ
家にも何本かありますが修理教則本には大体タクマーが素材として載ってたりしますよね(笑)。
オリンパスやコニカの大口径レンズも結構黄変してるのが多いですが、逆に黄変してないものはオークション等でかなり高価な値段がついてます。
どうせ買ってもすぐ黄変してしまうんだし・・
と言い聞かせて買いませんが。
オリンパスやコニカの大口径レンズも結構黄変してるのが多いですが、逆に黄変してないものはオークション等でかなり高価な値段がついてます。
どうせ買ってもすぐ黄変してしまうんだし・・
と言い聞かせて買いませんが。
Re: ギョギョ
確かにタクマーは教則本に人気ですよね。
でもアトムレンズは取り扱い注意と書くべきでしょうね(^^
> 家にも何本かありますが修理教則本には大体タクマーが素材として載ってたりしますよね(笑)。
>
> オリンパスやコニカの大口径レンズも結構黄変してるのが多いですが、逆に黄変してないものはオークション等でかなり高価な値段がついてます。
>
> どうせ買ってもすぐ黄変してしまうんだし・・
> と言い聞かせて買いませんが。
でもアトムレンズは取り扱い注意と書くべきでしょうね(^^
> 家にも何本かありますが修理教則本には大体タクマーが素材として載ってたりしますよね(笑)。
>
> オリンパスやコニカの大口径レンズも結構黄変してるのが多いですが、逆に黄変してないものはオークション等でかなり高価な値段がついてます。
>
> どうせ買ってもすぐ黄変してしまうんだし・・
> と言い聞かせて買いませんが。
琢磨50/1.4が3.27μSv/hとは・・・
数値を改めて知ってしまうと危険なレンズなんですねぇ。
数値を改めて知ってしまうと危険なレンズなんですねぇ。
Re: タイトルなし
放射能出すとは知っていても
実際数値を見るとビビリますよね(^^;
> 琢磨50/1.4が3.27μSv/hとは・・・
> 数値を改めて知ってしまうと危険なレンズなんですねぇ。
実際数値を見るとビビリますよね(^^;
> 琢磨50/1.4が3.27μSv/hとは・・・
> 数値を改めて知ってしまうと危険なレンズなんですねぇ。
ベータ線遮蔽してください
計測器内蔵のマイクロシーベルトの換算式は、(Cs137の)ガンマ線のみのカウントを前提としています。
しかしGM管は、ベータ線も拾います。
そして、ベータ線のほうが検出効率が高く、近距離でのカウントの構成割合が高いです。
その結果、裸で1m未満の短距離で測ると、マイクロシーベルトの値はどんどん高い方向にずれていきます。
僕が試した範囲でも4倍くらいにはズレました(SMC-T55/1.8で、本来1.9マイクロのところ、RADEX裸で8マイクロくらい出せます)
アルミ板4mm厚程度を間にかましてベータ線を遮蔽して、測ってみてください。
しかしGM管は、ベータ線も拾います。
そして、ベータ線のほうが検出効率が高く、近距離でのカウントの構成割合が高いです。
その結果、裸で1m未満の短距離で測ると、マイクロシーベルトの値はどんどん高い方向にずれていきます。
僕が試した範囲でも4倍くらいにはズレました(SMC-T55/1.8で、本来1.9マイクロのところ、RADEX裸で8マイクロくらい出せます)
アルミ板4mm厚程度を間にかましてベータ線を遮蔽して、測ってみてください。
Re: ベータ線遮蔽してください
専門的なアドバイスありがとうございます!
なるほど、そういう事なのですね…
今度教えて戴いた事も試させていただきます。
ありがとうございます。
> 計測器内蔵のマイクロシーベルトの換算式は、(Cs137の)ガンマ線のみのカウントを前提としています。
> しかしGM管は、ベータ線も拾います。
> そして、ベータ線のほうが検出効率が高く、近距離でのカウントの構成割合が高いです。
> その結果、裸で1m未満の短距離で測ると、マイクロシーベルトの値はどんどん高い方向にずれていきます。
> 僕が試した範囲でも4倍くらいにはズレました(SMC-T55/1.8で、本来1.9マイクロのところ、RADEX裸で8マイクロくらい出せます)
>
> アルミ板4mm厚程度を間にかましてベータ線を遮蔽して、測ってみてください。
なるほど、そういう事なのですね…
今度教えて戴いた事も試させていただきます。
ありがとうございます。
> 計測器内蔵のマイクロシーベルトの換算式は、(Cs137の)ガンマ線のみのカウントを前提としています。
> しかしGM管は、ベータ線も拾います。
> そして、ベータ線のほうが検出効率が高く、近距離でのカウントの構成割合が高いです。
> その結果、裸で1m未満の短距離で測ると、マイクロシーベルトの値はどんどん高い方向にずれていきます。
> 僕が試した範囲でも4倍くらいにはズレました(SMC-T55/1.8で、本来1.9マイクロのところ、RADEX裸で8マイクロくらい出せます)
>
> アルミ板4mm厚程度を間にかましてベータ線を遮蔽して、測ってみてください。
黄変したレンズを持っていらっしゃるのですね。
紫外線に当てると黄変がとれる事がありますよ。
トリウムレンズでなくても黄変している物がありますので
その点は黄色だけでは評価出来ないですね。
紫外線に当てると黄変がとれる事がありますよ。
トリウムレンズでなくても黄変している物がありますので
その点は黄色だけでは評価出来ないですね。
Re: タイトルなし
情報ありがとうございます!
そのうち紫外線試してみます!(^^
> 黄変したレンズを持っていらっしゃるのですね。
>
> 紫外線に当てると黄変がとれる事がありますよ。
>
> トリウムレンズでなくても黄変している物がありますので
> その点は黄色だけでは評価出来ないですね。
そのうち紫外線試してみます!(^^
> 黄変したレンズを持っていらっしゃるのですね。
>
> 紫外線に当てると黄変がとれる事がありますよ。
>
> トリウムレンズでなくても黄変している物がありますので
> その点は黄色だけでは評価出来ないですね。
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