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2012年のカメラと写真を占う 

 

ASAHI PENTAX SPⅡ with Carl Zeiss Ultron 50mm F1.8


毎年この時期CP+に合わせてカメラ・写真業界の
今年の展望を好き勝手に書いているのだが
2012年はCP+に行けなかった事もあり控えようかと思ったが
興味深い記事がいくつか見つかったので書いてみようと思う。


CP+2012は前年より大幅に来場者を集めたようで
大変な盛況だったようだ。

今年はカメラの当たり年とも言える。

Nikon D4D800/D800ECanon EOS-1D X
Fujifilm X-Pro1OLYMPUS OM-D/E-M5、
SIGMA DP1 Merrill/DP2 Merrill、PENTAX K-01

等々、個人的にもワクワクする製品が目白押しで
開催直前はネット上はちょっとした祭り状態だった。

他にもタムロンのSP 24-70mm F/2.8 Di VC USDや
AGFAブランドのデジカメ等ニュース性には事欠かず
震災や原発の影響や不景気なぞ関係ないような
盛り上がり方だった。


これは金融危機等で騒がしい海外でも同じようで
ケルンメッセ、「フォトキナ2012」の最新情報を発表
という記事で以下のように報じられている。

※以下内容が変わらない程度に要約して引用してます。


“ドイツ写真工業界専務理事クリスチャン・ミュラー リーカー氏は
デジタルカメラのマーケットについて説明した。

2011年の1~9月には大きなブームがあり、
特に東欧では前年比で35%も多く写真製品への支出があった。
ラテンアメリカでは16%増、インドは7%増。

同時期に最も落ち込んだのは日本市場で17%減。
東日本大震災のため。

ヨーロッパは金融・債務危機が響いて市場の動きはまちまちだが、
ドイツの2011年は前年比3.5%の伸びとみられ、
レンズ交換式デジタルカメラの販売は100万台に達し、
交換レンズは152万本が販売されたとする。” 



と、全世界的にデジタルカメラはマーケットが拡大しているようだ。
また、



“「世界的に比べて見ると新製品が好きなのは日本人とインド人」。
これら2国では売り上げに占める2011年の新製品の割合が
約半分と最も高いのがその理由。

対してブラジルや南アフリカでは、
新製品の販売は3割にとどまるという。

ユーザーは3~5年で新しいカメラを購入しており、
2010年からユーザーが専門的になっていることが目立つという。” 



日本人が異様に新し物好きなのは、まあ、当然として
巨大市場であるインドもそうなのは面白い。

また、世界市場を総括した上で、
買い替え需要が3~5年サイクルというの興味深い。
こうした回転需要があるのはメーカー目線で言うと
とても良い事だ。


ところで、今後デジカメの最大のライバルとなるのは
恐らくスマートフォンなのだろうが…



“中国などいくつかの国ではカメラ付き携帯電話や
スマートフォンが低価格のコンパクトデジタルカメラと
競合しているが、ヨーロッパではそうした競合関係には
なっていないという。” 


と、競合関係にも地域差があるのが興味深い。


携帯電話ほどは誰でも持つようになる、所謂一般化は無いにしろ
いずれにしてもスマフォと棲み分けされる
DSLR(デジイチ)市場の伸びを考えても
携帯とくらべ単価が高くて付加価値が高いカメラは
かなりの有望市場と個人的には思える。

いや、正確に言うと言われている以上に
やり方次第でまだまだ無尽蔵な伸びしろがありそうだ。


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そう前から考えていた事が確信に変わったのが
女性の約2割がデジタル一眼の所有者 という記事



“最近ブームの「カメラ女子」。
ここにきてさらにその数が増えているようだ。

手軽に扱えて価格帯も比較的安価なデジタル一眼は、
女性に支持され、人気が高まっている。

今は持っていないが、次の買い替えには
デジタル一眼を検討しているとの回答は73%を超えた。

今まで一眼カメラは「黒くてごっつくて重い」、
「男性が使っている」イメージが強かった。

しかし、現在では宮崎あおいさんなどの宣伝も影響してか、
「デジタル一眼=スタイリッシュ、おしゃれ」といった
ファッションやライフスタイルの一つとして
とり入れられているようだ。

カラフルなもの、レトロなボディーなど
デザイン性に優れたモデルが多いのも人気の理由。

一過性のブームでは終わらず、一定の地位を得始めている一眼旋風。

デジタル一眼は「カメラ女子」でなくとも自分らしさを表現するツールとして、
今後ますます活用の幅を広げていくだろう。” 



カメラ好きのオジサン世代には驚くべき意識の変化が
俗にいう「カメラ女子」に起きているのだ。

カメラというデバイスは非常に身近なものになって久しいが
正直一眼レフという分野は別で、ちょっと特殊な世界だった。

以前は一眼レフのユーザー・イメージというと
カメラ・ベストを羽織った、どちらかと言うと
イケテない男子のイメージが強かった。

もちろんオシャレな写真家や女性写真家も居たが
記事にあるようにオリンパスがイメージキャラクタに
宮崎あおいを使ったあたりから劇的にかわって
”おしゃれ感”が全面的に出てきた気がする。

しかもちょっとした自分のリア充ぶりを表現する道具として
ライフスタイル化しているから、これはもうブームと括れない
大きな本物のムーブメントと化していると思う。




”【一眼カメラを持っている子のイメージは?】
という質問には非常に好ましい意見がそろった。

オシャレ。
ライフスタイルに自信がありそう。
余裕がありそう
自分の世界観を持ってそう
こだわりがあって、芸術的な感性を持ち合わせている女性
向上心と好奇心が旺盛
森ガールのような服装で、カメラを首から下げているイメージ
宮崎あおいさんのようなナチュラルな雰囲気の女の子

以前は敷居が高くて手が出しにくかった一眼カメラだが、
今やファッションの一部となり、デジタル一眼を持っていることが
一つの「ステイタス」としてみられているようだ。

颯爽と一眼カメラを使いこなせる女性がカッコイイ!
デキる女性になりたいという気持ちも作用しているのだろう。

実は、カメラの機能以上に意味を持つデジタル一眼。

一眼カメラを肩から掛けることは
ハイブランドのバッグを持つのと同じことなのかもしれない。

本格的な機能がついて、外見も美しく、
しかもブランド力もあるという三拍子揃ったデジタル一眼カメラ。
ブームになるのも納得できる。 ”


と、記事では手放しのべた褒め状態だが、
これはボクが女性陣と話していても最近実感する。

が、コミュニケーションの仕事をしているボクからすると
カメラ・メーカーのマーケティングはハッキリ言ってヘタクソ。

オリンパスだけはちょっと良い点数つけられるが
総じてどのメーカーも伝統的な男目線でしか考えておらず
これまでのカメラの売り方の文脈から抜けられてない。


もっともソニーなんかは、かなり勉強しているのがよく解るし、
ペンタックスのカラバリとかの好事例も出てきている。

しかし、今後のカメラのマーケティングというのは
これまでのカメラの売り方の教科書には書いて無いやり方で
文字通り「市場を創って行く」段階にあると思うのだ。

そうした市場を創る戦略については
ボクの頭の中には物凄い沢山アイデアが湧き出ているのだが
書くと異様に長くなるので、ちょっとだけヒント形式で言うと…

これからの時代、カメラはモテルためのツールになる!

とボクは確信しているし、実際この手の話を
若い男女に話すと異様にウケがいいw。

だが、この文脈は表面的な消化では逆効果なのも確かなので
一度カメラメーカーとじっくりタッグを組んで仕事してみたいものですな。
個人的にはかなり自信ありますがw


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と、言う訳で、カメラはモノ余り時代の中で珍しく全需から底上げされ、
更にユーザーの意識の変化もあり、まだまだ潜在需要があるが
今年はテクノロジー面でも、メーカーの意識の変化が感じられる。

そう思っていた所、非常に上手く現状をまとめている文章を
価格comで見つけたので紹介したい。


“しかし、ミラーレスの流れが、デジカメの流れを変えてきましたね。
正直、画素競争一辺倒だったころよりも、遥かに面白くなってきました。

OM Dのサイトを見て、なるほどねえ、と思いました。
EVFの像は、ともすると、光学ファインダーよりも劣る像である、
という感覚が一般的だったと思うのですが、より積極的に、
デジタルで創造するためのインフォメーションを撮影者に
リアルタイムにフィードバックする、というコンセプトになってます。

SR(ボディ内手振れ補正)の効果もセンサーを動かすタイプなのに、
EVFなら、ファインダーでリアルタイムに効果を体験できる。

なるほどねえ。それ以外にも、アートフィルターや
ホワイトバランス調整などのデジタル画像の調整を
ファインダーで確認できる。

まさに、レンズを通った光そのものを見せる一眼レフ、から、
見たままではなく、デジタル加工した像をそのまま見せる、
デジタルリアルファインダーとでもいうのでしょうか、
ネガティブイメージが先行したEVFを、
付加価値のあるファインダーに変えてしまいましたね” 



EVFは数年前からあったが、正直貧弱なもので
ファインダーにコダワル者からすればおもちゃに見えた。

が、あっという間にEVFの性能は進化しただけでなく
ここでEVFの真価を明確にメーカーが意識し始めたのが興味深い。

ただ、先日も某プロの方とお話ししたのですが
一方で写真を撮る行為がドンドン簡単になるにつれ
写真が消費物になり面白さが薄れていくような気もします。

テクノロジーの真価に合わせて使い手の意識も問われているのでしょうね。


あと、今年は魅力的な新製品の陰に隠れる形で
あまり目立ってませんでしたが、去年も書いた通り
Wifi対応というか、カメラのオンライン化が
個人的にはカメラの一番の進化のポイントかと思ってます。


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そして最後に、写真表現のもう一つの形、フィルムの話だが…
何といっても巨人コダックの破産という衝撃的なニュースが走ったのも
2012年を象徴する出来事だったと言えましょう。

コダックはフィルム事業は当面は続けるようだが
何と言ってもドライな米国の企業の事なので
この先どうなるかは不透明である事は否めないし
実際オフレコでもフィルムに関してあまり良い話は聞かない。

しかしフィルムが完全に無くなる事が無い以上に
写真は無くなるどころか益々発展していくだろう。

変わったのは消費者の態度や考え方であって
今は写真ビジネスモデルの大変革が起きているだけなのだ。

残念ながらコダックは志半ばで業態変化に失敗した訳だが
新しい写真ビジネスはまだこれからだと思う。


考えてみれば15年程前はPCなんて好きな人のものだったし
スタンドアロンで機能優先の仕事の機械にすぎなかったし
グーグルなんて会社がIBMよりデカクなるなんて想像できなかったし
スマフォなんて夢の世界の話だった。

写真業界にも、そんな大変革が現在進行形で来ているし
今年はそんな写真業界の大変革がますます進む年になるのだろう。

つまりかつてコダックが作った秀逸なビジネスモデルが
100年ぶりに変わる節目の象徴的な年であったと
2012年は後年語られるような気がするのである。



締めとして新生コダックの飛躍とフィルム事業の存続を願って
先日偶然訪れたブログでの印象的な言葉を紹介しよう。


「コカコーラ」や「ビートルズ」などとと同じようにコダックは、
僕にとって単なる社名や言葉ではない。

小説や看板など、それは様々な風景とリンクし
その情景をも呼び起こす特別な存在なのだ。


このエンゲージメントの深さがある限り
写真の世界はまだまだ明るいと思うだ。











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