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対称形のレンズの気持ちよさ -レンジファインダーだから出来ること 

 

Taimei elementary school, tokyo -泰明小学校
Leica M9
Leitz Elmarit 28mm F2.8



巷にあふれるレンズの評価というのは結構あてにならない

というか個人の思い込みがひとり歩きしたものも多く
(それはそれで悪い訳ではないのだが…)
プロのものであっても、あくまで「個人の感想」と思った方が
良いと思う時は多々ある。

そんな中対称形レンズ信仰というものをちょっと考察したい。


ライカ好きなら一度は聞いたことある「対称形レンズ信仰」
広角レンズの性能は対称形が一番!というものだ。

この話を読み解くには対称形レンズと、その対極にある
レトロフォーカス・レンズ、というのを理解しなくてはならない。



レトロフォーカス(Retrofocus)は
広角レンズで前群に凹レンズ系を配置して、
ちょうど望遠レンズと逆のレンズ構成にしたものを言う。
このために「逆望遠」とも呼ばれる

#レトロというと日本人は古いレンズの事かと思うかもしれないが
#ここで言うレトロは「後ろへ」フォーカスをずらすの意味

このレトロフォーカスタイプの広角レンズは バックフォーカス
(レンズ後玉から焦点面=フィルム/センサー面までの距離)を
長くすることができるため一眼レフのミラーに干渉せずに装着ができるので
現在の一眼レフ用の広角レンズはすべてレトロフォーカス設計になっている。

また、レトロフォーカスの設計を応用するとズームレンズとすることができ
現代のレンズは基本レトロフォーカス型と言っても過言ではない。



レトロフォーカスの特徴としては周辺光量が多いこともあげられる一方、
欠点としては構成枚数が多くなりがちでレンズが大型化・重量化することや
歪曲収差は対称型レンズの広角レンズには劣る事がある。 

下記に対称形の代表選手スーパーアンギュロンと
レトロフォーカスのレンズのレンズ構成図を示してみます。
対称形は見た通りほぼ左右対称(上下対称か)なのがお分かりかと思います。

一方レトロフォーカスは前述の通り、凹レンズが全面(上部)にありますね。
慣れない人は前から見ると、この凹レンズが凸レンズに見えるようですが
凹レンズを単にグニャッとひん曲げただけ、というのが構成図を見れば
よく解るでしょう。



名称未設定 2


そう、一眼レフがカメラの主流になるまでは、
広角レンズと言えば対称形のものを指し、
その代表例というのがスーパーアンギュロンや
ビオゴンという名レンズなのでした。

中でもビオゴンは独自の対称型レンズ構成で
収差をほぼ完璧に補正したうえで、
高解像度を誇った名玉中名玉として
今でも人気が高いレンズです。

今も製造中ではありますが、
しかし、一眼レフが主流になるにつれて、
物理的に一眼レフに装着不可なビオゴンは
広角レンズとしての地位を失ってしまったのも事実です。



ところでズームレンズが主流となってくると、
広角端で厄介な歪曲収差を抑える事は今でも難しいようで
所謂大メーカーの大三元レンズという高級レンズの中にも
建築物のような直線中心の被写体を撮るには
ちょっと使いにくいものもあるようです。

最近カメラを本格的に始めた人の中には
歪曲収差をあまり意識してない人も多いらしいので
ここでちょっと極端な作例を提示してみましょう。

以下はAF-S DX VR ZoomNikkor ED 18-200mmF3.5-5.6G(IF)
という、いわゆる高倍率ズームと呼ばれるレンズで撮ったものです。


DSC_3525


上は窓のサッシを撮ったもので、もちろんサッシは直線です。
特に向かって右側がぐにゃりと歪んでいるのが解るかと思います。


DSC_6291


これは三脚を忘れて、噴水の端にあった腰掛にカメラを置いて撮ったものです。

当然噴水の水面とこの腰掛は等しく水平だったので、
水面と同じように二つの噴水は並んでいるはずですが
ご覧の通り向かって右側の噴水は大きく傾いています。


ズームは高倍率になればなるほど複雑なレンズ構成になるので
こうした歪曲収差をはじめ、諸収差は単焦点と比べて残りがちなのですが
やはりここまで酷いと建築写真等には使えないのがお分かり頂けたでしょう。


そこで、直線がちゃんと直線として写る、対称形の広角レンズが
見直されている、というか、未だに人気がある訳です。

そこでトップの写真に戻るのですが、
銀座に残る古い小学校(泰明小学校)校舎を写したこの写真、
良く見ると一番下の方に黒いフレームのようなものが写っているのが
解るかと思います。

このフレームの正体は下記写真を見るとお分かり頂けると思いますが
校庭の門が写りこんでいるものです。


Taimei elementary school, tokyo -泰明小学校


どうです、トップの写真をあらためて見ると、黒い鉄製の門が
綺麗にに直線で写っているのが解るかと思います!

この直線表現こそまさに対称形のレンズの気持ちよさ!
と言えるのではないでしょうか。

レンジファインダーカメラ用の広角レンズでは
バックフォーカスが短くてもよいため設計の簡単な
旧来の広角レンズが今でも作られ続けてきたのですが
こうして直線が直線に気持ちよく写るのを見ると
やめられない人がいるのも解るかと思います。

かく言うワタクシも一眼レフと比べ何かと制約が多い
レンジファインダー機を未だに使う理由の一つが
この広角レンズの良さという事もあります。


-----------------------------


で、ここで話は最初に振った本題に近づきます。

今回の作例を写したボクのエルマリート28は
所謂第2世代というものです。

実は初代エルマリートというのが綺麗な対称形のレンズ構成で
そのアイコンとして対称形の証ともいえる、後玉の出っ張りが
初代には誇らしくあるのに対し、Elmarit 28mmの2ndと呼ばれる
この第2世代レンズは後玉が後ろに引っ込んでいるので
レトロフォーカス型と言われ初代と比べ人気がありません。


しかし、ここにレトロフォーカスの大きな誤解があるようです。

この方が詳しく解説して頂いておりますが、
レトロフォーカスの定義は、決して後玉が引っ込んでいるという事ではなく、
前面に大きな凹レンズがあって、逆望遠レンズの形になっている事です。

そこを押さえた上で、エルマリート28の初代と
2代目のレンズ構成図を見てみましょう。


名称未設定 2のコピー


両方とも前玉、後玉ともに凹レンズが配置され、
ほぼ左右(上下・前後)対称の形をしています。

そう、うるさ型のライカマニアは、初代エルマリートの対称形こそ本物
として2代目の三倍以上の値段で初代を追っかけたりしてますが、
第二世代も対称形レンズである事には変わりはないのです。

ライカ社もバックフォーカスを長く取るアレンジはしているが、
これ(実はこの後の世代も)は対称形レンズと公式に言っているらしく
エルマリートは非レトロが一番、という主張は
レンズの定義からして誤解があるという事です。

もちろん第1世代のエルマリートは当時としては
非常に高性能なレンズであったようですし、
今でも個性的な描写のレンズと考えれば
味のある、高い金を払う価値のあるものかもしれません。

しかし、このヨドバシのサイトにある作例なんか見ても
割と収差の大目なグズグズの描写のレンズ、というのが本音の所で
収差が少ない事が高性能レンズ、という教科書通りの定義の面から考えても
思い込み(思い入れ)度合の強いレンズと言えると思います。


にしても、前述したような、直線が直線としてきっちり写り、
しかも非常にコンパクトな広角レンズ、というのは
対称形を使えるレンジファインダーの独壇場と言えるでしょう。

こうした特性を理解した上で、カメラはいろいろな種類を使いこなすのが
やはり粋なフォトグラファーだと思うのですがいかがでしょう(^^










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コメント

分かりやすい説明ありがとうございます。

僕も広角の為にレンジファインダーに辿り着きました。
ピシッと写るので気持いいですよね。

広角&標準はRF、マクロ&望遠は一眼と綺麗に棲み分け出来ています。どっちが良いではなく、用途によりけりでどっちも欲しくなるんですよね。
お金が…w

Re: タイトルなし

やはり広角やるならレンジファインダーですよね!
ピシっと写るし、小さいしw

本当に用途によって使い分けが一番ですよね!
お金さえついてくればw



> 分かりやすい説明ありがとうございます。
>
> 僕も広角の為にレンジファインダーに辿り着きました。
> ピシッと写るので気持いいですよね。
>
> 広角&標準はRF、マクロ&望遠は一眼と綺麗に棲み分け出来ています。どっちが良いではなく、用途によりけりでどっちも欲しくなるんですよね。
> お金が…w
  • [2012/05/02]
  • URL |
  • ふくいのりすけ
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