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「カメラの話をしよう」に行ってきた。 -Talking about Camera 

 

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実は先日、リコーのカメラ事業を統括されていた
湯浅一弘 元執行役員プレジデント氏とお会いする幸運に恵まれました。

同じ福井県出身という事で顔を覚えてもらい光栄のいたりだったのですが
この度「カメラの話をしよう」第3回 一眼レフの話 というイベントを
催されるという事で面白そうなので行ってきました。

スピーカーは湯浅氏の他に
・株式会社ニコン 映像カンパニー 後藤哲朗氏
・オリンパスイメージング株式会社代表取締役社長 小川治男氏

という事で、人気メーカー3社のカメラ開発のキーマンが揃うという
そうそう無い機会と想像され、期待大な中、会場に向かう足も弾んだのでした。

やはり表現の道具にコダワル者としては、
今後の健全な投資計画の為にも(笑)
各メーカーの責任者レベルの考え方というものは
是非押さえたいですからね。


実はオリンパスの小川氏にも以前一度お会いした事があるのですが
ニコンの後藤さんは直接お会いするのは全く初めてです。

ご存じの方も多いかと思いますが、後藤さんはニコンの有名人です。

同社執行役員を経て、映像カンパニーにユニークな後藤研究室を設立。
ここにあるようなインタビュウを他にもいろいろな媒体でお話拝見してきましたが
カメラに関しての考え方がとても素晴らしく、一度直接お話を伺いたいと
常々思っていた方でありました。



さて、会場に入ると、残念な事にオリンパスの小川氏は急用で欠席…

その代わりと言う訳ではないですが、
会場のTOKYO INSTITUNE OF PHOTOGRAPHYの理事長さんで
PHaT PHOTO前編集長であるテラウチマサト氏が急遽司会進行を行われる事に。

また、聴衆の中に、どこかよく見た存在感のある御方が…
と思ったら田中長徳大先生もいらっしゃっていて(笑)、
豪華な布陣でのイベント・スタートになりました。



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この日は一眼レフの話、と銘打ってましたが
今回参加の3社(オリンパスは欠席ですが)の中で
リコーはペンタックス買収まで長らく一眼レフは作ってませんでした。

今もボクはペンタックスKマウントのリコーXRリケノン50mmF2を使ってますが
当時安さを売りにしてた割には今でも高い性能のレンズでコダワリ伝わるし、
最近もリコーGRなんかを通して、同社のカメラ事業への情熱なんかを感じると
カメラの王様である一眼レフ事業への同社再参入の意欲は推測されてました。

やはり、湯浅氏はペンタックス買収前から一眼レフ参入の夢はあったらしく
いろいろな考えを持たれていたようです。

ペンタックスへの考え方については既にリコーを離れられたお立場のせいか
特に詳しく言及はされてませんでしたが、湯浅さんだったらペンタックスを
どう活用されたかと想像すると、一度は湯浅さん主導の一眼レフを
見てみたかった気もしますねえ。

常々カメラ雑誌のインタビュウをなんかを読むと、
とてもしっかりしたお考えをお持ちの方と尊敬してましたし、
さすがGR DIGITALを作った御方だ、と関心してましたから。

GXRという置き土産を見ても結構ユニークなカメラになっていたかと想像します。



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先日ライカの新製品発表会に行ってきた際、
ライカの製品開発の総責任者である、ステファン・ダニエルさんと
直接お話出来る幸運に恵まれましたが、ステファンさんと
後藤さん、湯浅さん、それぞれものの見方みたいなものが違う、
という事が、今回おぼろげながら解ったのが興味深かったです。



テラウチマサトさんが、カメラというプロダクトの特異性について触れ
家電でも、クルマでも、オーディオでも無いが、敢えて近いものを例えるなら
カメラはどんな製品か?という質問をされてました。

お三方でいろいろなご意見が出てカメラのユニークネスを語っていたのですが、
ライカの方は画家の筆や職人の道具を作ってきたと即答するんですよね。

カメラはとてもパーソナルなものであり、
ライカは一流料理人の使う包丁のような商品を目指していると、語る訳です。

そういう所からも、日本のモノづくりに対する職人魂と
ドイツのマイスターのクラフトマンシップは似てはいるけど
実は発想から違うものがあるのでは無いかと思ったのです。

これは以前ランゲ&ゾーネのペーターさんと話しても感じたことです。


ちなみにもし私がカメラに最も近いプロダクトは何か?と問われたら
間違いなく「楽器!」と即答しているでしょうね。

表現する道具という点は同じですし、使い手のコダワリが
質感や感触に及ぶのも同じ。

価値の感じ方が人それぞれで、素人には違いが解らないのも同じ。
数千円のギターと数百万のギターも同じように使える訳ですから。

そういえば、よく一流芸能人格付け、とかでも名機と普及機の違いが解るか?と
面白おかしく話題にされたりもしてますよねw


また、デジタル時代になったのも同じで
利便性で言ったらもうDTMシステムの方が圧倒的に効率的ですが
だからと言って音源でアナログが否定されたかと言うとそうでもない。

音のシミュレーションも、素人には違いが解らないレベルに来てますが
生音が否定される事も無く、高度にデジタルとアナログは両立し
素晴らしい使い手ほど両者を使い分けている訳です。  

人の感性に訴える表現と道具という意味では
楽器とカメラはかなり近い存在と思う訳です。




また、テラウチマサトさんはD4を現在仕事で使用しているらしいのですが
こうしたゴツイカメラは一流モデルと戦闘モードに入る時必要との事。

迫力あるカメラで無いとモデルが本気になってくれないそうですw
確かに解りますねえ、そういうの(笑)


他人に見せるためにフェラーリに乗るような人もいますが、
こういう人はプロダクトを通じ解って貰いたい自分を表現しているのでしょう。

ボクもカメラは常々広い意味で自分を表現する道具と思っているので
カメラメーカーには機能を追い求めるだけでなく、
こうした所有時の「官能性能」みたいな部分も、
もっともっと追求してもらいたいものですね。

この点スピーカーの皆さんは深く考察されているらしいのが解り
今後の展開がますます楽しみになりました。



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さて、後半になるとテラウチマサトさんはご予定があるとかで中座し
急遽田中長徳さんがリングに乱入してきましたw

長徳さんはもちろん有名人なのでよく存じ上げてますが
ご本人を直接お目にかかるのは実は初めてでした。

しかし、この方のトークは既に芸の域に達してますねww
かなり爆笑させて頂きましたwありがとうございます(^^


--------------------------


そして今日個人的にお会いしたかった後藤さんのお話ですが
個人的には非常に感じる事が大でした。


もともと後藤さんに興味を持ったのは
後藤研究室のコンセプトの話がキッカケで、
デジカメウオッチのインタビュウではこのように紹介されています。

自分達自身を見失って“売る為だけの飛び道具”を満載した製品を作ってしまう。
そういうことがないよう製品開発組織とは別の少し離れた位置から俯瞰しながら、
アドバイスを送るという役割です


たいへん僭越ながら、普段ボクが考えている事と同じ事を
後藤さんはあちこちでよく語っているんですよね。

私も、もともと自動車メーカーに居たので少しは解る気がするのですが
今どの業界のどのメーカーも売れるものばかりに興味が行ってまして
こういう事言える人って本当に少数派になってしまっていると思うのです。

もちろん企業ですから、売れる事が前提であるのは当然ですので、
これまで積み重ねた実績が無いと中々ここまで言う勇気は出ないんですよね。

皆解ってはいても競争が厳しすぎる訳です。

しかし、競争だから仕方無い、ではやがて製造業もサービス業も死滅する訳です。
これは妄想ではなく、今のままでは確実にやってくる未来と言えます。

最近米国では「カスタマーサービス・イズ・デッド:Customer Service is Dead」
(顧客向けのサービスは死滅した) とか言われているらしいですが、
ここにある顛末を見ると、日本ももうすぐそうなる事は容易に想像できますよね。



さて、後藤さんはとにかく頭が良く、認識している事実の守備範囲が広く深い、
そして明るくて、どんな質問にも真摯に答えてくれる良い人、という印象です。

また、後藤さんはミスター・ニコンとも呼ばれている方でもありますから
ニコンに対する誇りとプライドが伺え、仕事にはとても厳しそうな印象もあります。
(勝手な印象ばかりでスミマセン)



ところでニコンの本質を理解するには戦前、戦中を通らなくてはなりません。
と、申しますのも、以前カール・ツアイスについて書いた時もそうでしたが
もともと光学技術というのはどの国も軍需産業としての側面が大変深いのです。

ニコンの前身である日本光学という会社は大日本帝国海軍と関係が深く
陸軍系の企業である東京光学とは軍需光学機器製造の双璧として
「陸のトーコー・海のニッコー」ともいわれていたのです。

そういえば、最近ニコンもカタログで同社の歩みを語る際、
戦艦大和の測距儀を製造した事をちゃんと語るようになりましたね。



で、何故こんな話古い話をするかと言うと、
過剰品質とも揶揄される程のニコンの品質管理への異様なコダワリは
この大日本帝國海軍との協業からDNAとして刻まれている訳です。

何しろ国の存亡と人の生死に関わる道具ですありますから、
「スミマセン壊れちゃいましたテヘペロ」じゃ済まされない訳です。

カメラは趣味嗜好品の側面もありますが
プロにとっては生活に直結する道具でもあります。

絶対に間違いのないものを作る、というニコンの信念をいつも感じているので
私も仕事モードの時はニコンを一番信頼して使わせてもらってます。



という事で、前述の後藤さんに初めてお会いした印象というのは…

 認識している事実の守備範囲が広く深い、
 そして明るくて、どんな質問にも真摯に答えてくれる
   → 真摯に現場と顧客の幅広いニーズに向きあう社風

 ニコンに対する誇りとプライドが伺え、仕事にはとても厳しそう
   → 戦前の日本光学時代からのDNA

という事でニコンの社風そのものだと思った訳です。
まさにミスターニコンですね!と、なんか妙に納得した気分ですw

そして、こうした後藤さんのような考え方が
日本の製造業の次世代の姿へのヒントになるような気がしている訳です。

そして、単なる理想像に終わらない期待感というのが
後藤さんの認識している事実関係の守備範囲の広さ
=現実に起こっている変化への正しい認識、と繋がって
ニコン・ユーザーとしては安心感を感じる訳です。




そんな後藤さんのお気に入りのニコンの製品は
D700に24-70/F2.8Gという組合せが今現在も最も好きなのだそうです。

ボクもD700ユーザーですが
このカメラの出来はD800が出ても褪せて見えず
その満足度の深さからこんな記事を書いたくらいですから
後藤さんもD700が今でもオキニと聞いてちょっと嬉しかったですね。

と、言ってもD800はやはり欲しいですが(笑)


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ところで、カメラメーカーの方のお話を聞くと
皆さんデジタル化されてからの苦労を口に出されます。

今年巨人コダックが経営破綻しましたが、
あれを他人事と思っている会社は多分無いでしょう。

そう考えると日本のカメラメーカーは
本当によく頑張ったと感動すら覚えます。


そんな大変革の時期に、カメラの何が一番変わったかと言う事を考えると、
それはカメラメーカー自身が、かつてフィルムメーカーの領域まで、
責任を持たなければならなくなった、という事だと思うんですよね。

という訳で、今回ひとつ「色」についての考え方を、
皆様に会場で質問させて頂きました。

というのも各メーカーとも、恐らく苦労されていると推測される割に
色について語っている所があまり無いのを不思議に思ってましたので。

そして複数メーカーの製品を使用しているといつも感じるのですが
各社とも色表現の傾向が違う訳です。

各社自然な色表現と言ってますが、開発者の主観や好み、
はたまたセンサーや画像処理エンジンの性能等もあり
同じナチュラルな色表現と言っても全然違うと感じる訳です。



で、丁寧に質問に答えて頂いた分、実は社外秘の話とかあると怖いのでw
詳細は控えますが、現状については、さすがによくお分かりになっていて
これからもますます期待出来そうな好印象を持ちました。


また、長徳大先生を含めて、皆さん先日登場した
Leica M Monochromには興味津々みたいでして
発表会に行った私が逆に質問されちゃったりしましたw

【参考】
ライカ新製品発表会レポート1 -DAS WESENTLICHE in Tokyo Report 1
ライカ新製品発表会レポート2 -DAS WESENTLICHE in Tokyo Report 2




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ボクはもう15年位インターネットに関わる仕事をしてきた関係もあり
カメラがデジタル化した以上、大きな変化はまだいくらでも出てくる
と確信に近い思いがあります。

一方で、現在ボクは109本レンズ持ってますが、
それらを使うと写真表現の奥深さを感じざるを得ません。

MTF等の数値性能だけで言えば
もちろんオールドレンズは最新レンズに敵いませんが
事はそう単純でないのがレンズの面白い所です。


カメラについても以前、極私的ライカのススメという記事を書き
M型ライカは今現在でも最新のデジイチと比べ劣っている訳で無い
と大真面目に訴えた所、大御所の写真家の方をはじめ、大きな反響頂きました。

優れた楽器は人の手の感触が必ずありますが、
カメラやレンズもそうした感性に訴える部分が非常に重要であり
ある意味他に無い、とても素晴らしいプロダクトなのだと思います。

だからこそ、そういった感性の部分を含めて、
メーカーの方がカメラや写真の事をどれだけ理解してくれているか、
という事は、この大変革の時代において、ユーザーである僕等にとっても、
とても重要な事だと思うのです。



日本のカメラメーカーは長らく報道写真やコマーシャルフォトの世界で
揉まれながら大きな成果物を出してきた歴史があると思います。

しかし、写真の世界はもっと広いです。

写真文化に貢献するレベルのプロダクトはこうした感性性能が重要ですし
そういった事を理解している経営者層がカメラメーカーにはいらっしゃる
という事実関係が今回のようなイベントで解るのは
ユーザーとしてとても嬉しく、誇らしい事です。


ここに富士フィルムの方の大変面白いインタビュウがあります。

写真というのは誰でも、どうとでも語れてしまうものであるために
メーカーとしては新たな市場をつくるという意気込みが無いと!
と熱く語っておられます。

ボクがいまだにフィルムが好きで捨てられないのは
フィルムが化学の芸術領域だと思うからです。

同様にカメラやレンズも光学や機械工学、電気工学の芸術領域と思います。

ニコンはよく「期待を超えて、期待に応える」と社内外に発信してますが
こうした新市場創設に意欲的で、プロダクトの本質を解っている方が
社内に多いからこそ、我々ユーザーは魅了されるのでしょうね。

湯浅さんや後藤さんのような素敵な方のお話を聞いていると
私ももっとカメラと写真に近い場所で仕事がしてみたい気になりました。


-----------------------------


追伸:
今回のイベントは少人数ならではの、「ココだけの話」も結構多く、
有料であった事もありスピーカーの方の発言を
実はあまり詳しくは書けませんw

という事で今回は聞いた話から受けたインスピレーションに
私の考えるカメラ業界の未来的な随筆になってしまいましたが
湯浅さんによるとこのイベントは今後もシリーズ化されるらしいので
興味のある人は是非参加されてみてください。
※情報はこのTIPのブログをチェック!










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コメント

色の話、こんど呑みながらでも聞かせて下さいw

Re: タイトルなし

了解ですw

snopanさんとの普段の会話も活きた話ですしねww


> 色の話、こんど呑みながらでも聞かせて下さいw
  • [2012/05/21]
  • URL |
  • ふくいのりすけ
  • [ 編集 ]

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まとめtyaiました【「カメラの話をしよう」に行ってきた。】

  実は先日、リコーのカメラ事業を統括されていた 湯浅一弘 元執行役員プレジデント氏とお会いする幸運に恵まれました。 同じ福井県出身という事で顔を覚えてもらい光栄のいたりだったのですが この度「カメラの話をしよう」第3回 一眼レフの話 と?...
  • [2012/05/21]
  • URL |
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